若いひとの声「私、介護が好き!」
―聖書と祈りで今を生きる人がいる―【ミニ動画付き】

M.T.さんにインタビュー

介護職2年目のM.T.さんに仕事のことや、毎日励みになっていることをお聞きしました。

介護の仕事で楽しいこと、いいことって何ですか?

いいことは、利用者様や先輩から、人としての心遣いを学べることです。仕事としてだけではなく、心の成長ができることがうれしいです。入居型の施設やデイケア、訪問介護など、いろんな職場があるのもいいと思います。

仕事がきついとか、つらいことはありませんか?

初めてお世話した認知症の方から拒否されつづけた時はショックでした。また、体力を使う仕事で、慣れないうちは帰宅時はクタクタでした。休みの日は、ときどき料理を作ったりしています。

仕事中、特に心がけていることは何ですか?

笑顔です。どんなに落ち込むようなことがあっても笑顔は忘れません。それと私だけではなく、楽しい話をして、利用者様にも笑顔になってもらえるよう心がけています。

仕事で疲れた時のリフレッシュ方法は?

甘いものを食べるのが一番です。また、同じ信仰の友と語り合うのが、私にとってのリフレッシュタイムです。

M.T.さんが仕事で使うマストアイテム

ハンドクリーム

手作業が多いので、手荒れを防ぐため常に持ち歩いています

懐中時計

腕時計はお客様にけがをさせるといけないので、懐中時計をカバンにつけて使っています

制汗剤

汗をかく仕事が多いので、汗拭きシートも必需品

これから何かにチャレンジする人にひと言!

M.T.さんのプロフィール

年齢 24歳
今はまっている芸人 霜降り明星(漫才)
最近のお気に入り DVD『塔の上のラプンツェル』が最高!


まだ介護士のたまごです。でもこの仕事が大好き!

私は、老人ホームで介護の仕事を始めて2年目です。初めは先輩から注意されたり、ホームの利用者様から叱られたりすることが多く、思うようにいきませんでした。

でも、介護の仕事が大好きになったのは、仕事であっても互いに人としての愛情が伝わるから、そして、毎朝、利用者様に会うだけでうれしくなるからです。ある意味私たちは、ご家族より近い存在で、お風呂やお手洗いの世話など、その方の体をいつも気遣っています。

天から何かが降ってきて

私は入浴介助の担当なのですが、それを拒否される方がいました。お風呂場に行く時に、「もう帰る」とか「二度と来たくない」と言われ、手を払いのけられるように嫌がられます。先輩にコツを聞いたり、思いつくことを精いっぱいやってみても全部だめなんです。

行き詰まった時、友達や親しいおばさんが一緒に祈ってくれました。そしておばさんが、「その方があなたを受け入れるかどうかより、祈ってあなた自身が変わることのほうが大事よ」と言われました。そして祈っていると、心の中から力がわいてきました。

数日後、その方の入浴の時です。いつも私は焦ってしまうのですが、フト、天から何かが降ってきて、「今日は、利用者様の目を見てゆっくり話し、心が和らぐようにしよう」という思いに変わりました。

すると、「ああ、今日のお風呂は気持ちよかったー」と言われ、喜んでくださったんです。私はうれしくて、泣きそうになりました。

「祈りで私自身が変わる」とはこれなんだ、と知りました。

聖書の支え

私が介護の仕事を始める前、父ががんで亡くなりました。私は寂しくて泣いていましたが、父は聖書が好きで、よく読んでいたのを思い出しました。

「父は何を願って生きていたのだろう。信仰で生きるとはどういうことなんだろう」と、思い切って親元から信仰の友がいる東京に出てきました。

介護の仕事に就いてからも、朝は聖書を読んで仕事に出かけます。最近心に残った言葉は、ピリピ人への手紙2章「あなたがたは、いのちの言葉を堅く持って、彼らの間で星のようにこの世に輝いている」です。

今、介護現場もコロナの影響で、皆さん神経がピリピリしています。暗くなりそうな状況ですが、聖書の言葉のように私は生きたい、と願っています。天から降ってくる生命に助けられて、星が輝くようにホームの皆さんを元気づけてさしあげたいです。そして、どんな人も笑顔になれる介護を目指していきたいと思っています。


本記事は、月刊誌『生命の光』2020年9月号 “Light of Life” に掲載されています。