若いひとの声「楽しくてしょうがない」

音楽好きで夢はDJに
でも、それ以上の目標を見つけた

玉西恩頼人(21)
好きな漫画:『キングダム』
一つの目標に向かって心を燃やす姿にあこがれる。周囲の人を燃やす存在になりたい!

滋賀県大津市に住んでいた玉西恩頼人(ふゆと)さんは、一つの夢をもっていました。それは、音楽を勉強して有名なDJになって、大もうけすることです。でもあることで、将来の夢が自分でも思いもしない目標に変わってしまいました。
それは何かを聞いてみましょう。(編集部)

私は学校の勉強より音楽が大好きで、音楽で夢をかなえたいと思っていました。あこがれは、友達とライブにも行った、全米でヒット曲を次々と出しているDJでソングライターのデュオ「ザ・チェインスモーカーズ」です。

だから自分も、将来は音楽学校を卒業して、DJになるのが夢でした。親はキリストの信仰で生きているけど、自分は小学校から高校まで友達にも恵まれていたし、学校も勉強以外はすごく楽しかったので、この夢さえあれば、別に祈りや信仰なんてなくても楽しく生きていける、と思っていました。

でもある時、たまたま行った集会で、幕屋のイスラエル留学から帰国した青年が、留学の魅力を語りながら映像を観せてくれました。その中に、イスラエルの歌手がうたったりダンスしたりしている映像があって、それを観ていたら「これ、いいな」と思ったんです。

DJが夢だから「もし、神様から来るインスピレーションで音楽を作ったら、すっごくもうかるに違いない!」と思ったんです。それで、イスラエルへ留学する気になりました。

私はそれまで、祈ったり集会に集うことがほとんどなかったので、「イスラエルに留学したい」と言ったら、地元の幕屋の皆さんがびっくりして、「幕屋の留学はね、信仰と聖書を学びながら、聖地で神様に出会うことが目的なんだよ。だから、まず君は親もとを離れて、信仰を学びながら働いてみたらいいよ」と言われました。

それで、北海道で会社を経営されている幕屋の方のもとに行くことになりました。働くこと、同じ信仰の青年たちと寮で集団生活すること、すべてが初めての経験です。

音楽の楽しさを超える楽しさ

北海道に行ったら生活がガラッと変わりました。私はそれまで集会にほとんど出ていなかったのに、青年寮で毎朝祈り、出勤したら会社の祈禱会、月曜は聖書の勉強会、水曜は夜の集会、土曜は若人の会、そして日曜日も聖日集会と、1週間、集会三昧(ざんまい)なんです。

仕事も初めてなのに集会ばかりで、漫画もゆっくり読めないし、半年たつころには家に帰りたくなりました。

その夏、2泊3日の泊まりがけで祈る聖会がありました。そこで自分に何も起きなかったら、大津の家に帰るつもりで参加しました。

1日目は何も起きなくて、2日目に祈りの指導をしておられた年配の伝道者の方が、私をじっと見つめて「君にこの歌を教えよう」と、手島郁郎先生がかつて信仰の心を伝えられた短歌を私に教えてくださいました。

何事も人の力の及ぶまじ ただ聖霊の恩頼(ふゆ)をたのめよ

人間の力、努力ではとても及ばない。ただ聖霊の恵みに寄り頼むんだ、といった意味の短歌でした。

その後の集会で祈った時です。周りの人が熱く祈っている中、私の両手と頭とおなかに温かい何かが触れたと思ったら、上からすっごいものがダーッと流れてきて、涙がドバーッと噴き出て止まらなくなったんです。気がついたら、うれしくて周りも気にせず「神様、ありがとうございます!」と叫んで祈っていました。

あれは何だったんだろうと思うけど、何日たってもうれしくてしかたがない。それまで知っていた遊びや音楽の楽しさをはるかに超える楽しさというか、魂の喜びを知ってしまったんです。

それで、高校時代の友達に、自分に起こったことを話しました、「信仰がなくても生きていけるけど、でもこの信仰があったら、もっとすごい喜びを体験できるんだ。もっと上の世界があるんだ」と。

聖会を終えて、仕事に戻っても力がわいてきます。北海道の後、鹿児島県の屋久島でも働きましたが、そこでも祈りながら大自然の中で土まみれになって労働し、汗を流す毎日が楽しくて楽しくてしかたなかったです。

どこでも、常に全力で!

聖会で声をかけてくださった伝道者の方に、「闘魂」の文字が書かれたカードも頂きました。いつもこのカードを見ると、「よっしゃー やったろうけ!」って気合が入るんです。あの燃えるように祈った聖会が思い出されて、何をやっても楽しいしうれしいんです。

神様は、以前の私には遠い存在でした。でも今は、神様は自分をどんな時も喜びの世界にガラッと移し替えてくださる、最高の生き方を教えてくださることを知りました。

イスラエル留学では、これからの人生で何をしたらいいかを、聖地で神様から教えていただきたいと思っています。コロナ禍でずっと待たされたけど、いよいよイスラエルに出発できます。

日本を離れ、言葉が通じないし、苦手な勉強もしないといけない。でも、どんな状況でも祈ってチャレンジする闘魂があれば、心を燃やしてくださる神様がおられるから、困難も常に全力で突破できるんです!

「闘魂」カードはスマホに貼ってある
イスラエルに到着した幕屋の留学生

本記事は、月刊誌『生命の光』829号 “Light of Life” に掲載されています。