8月5日

音楽家にとって致命的な聴覚障害や覆いかぶさる苦悩の中、ベートーヴェンの魂は光りはじめ、神との神秘な交わりの経験に入ってゆきます。聴覚を失ってから作曲した最後の交響曲第9番「合唱」は、シラーの詩「歓喜に寄せて」に合わせて作曲されました。「苦悩をつき抜けて歓喜に!」こそは彼の魂の告白でした。

(手島郁郎『志あるところ道あり』より)