物質に浸透する生命

 進化というと普通、物質から生命が創造され、植物や動物が発生し、動物が進化して人類となったと考えます。それで私たちにおいても、精進努力して動物性を払拭してゆけばやがて聖者となり、天使のごとくになりゆくだろうと思う。そうなればよいが、そうはゆきません。人間がどれだけ努力しても、猿が人間の子を生むことがないように、天使に到達することはできない。

 むしろ、それは逆であって、高い次元の生命が低い次元の世界に流入して、自己を表現してゆくと、進化するのです。私たちが伸び上がって神の子となるのでなく、天使やキリストのような高い世界の生命が上より注入されて、人間進化がなる。だから、進化してゆこうと思っても、現在の地上を眺めまわすことをしておる間は進化しません。しかし、生命というものが物質に浸透してゆくときに、何という不思議なことをするだろうか。

 天の生命というものは、物質に浸透し、内に宿って働く。そして物質を活かすんです。それはあたかも光のようです。光は深い海の中にも到達してゆくエネルギーです。「神は光である。光の中を歩め、暗き中を歩くな」と聖書は言いますが、生命というものも同様です。放射線が物質を変化させて新しいものに創りかえるように、私たちの生命の光ともいうべきキリストが滲み透って、こんな虫けらのような者の中にも来てくださると突然、変異して突然変異体(ミュータント)となる。このように十字架の御血というものは、不思議な生命を含んでいます。

(1969年)

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