私は毎朝、目が覚めるごとに、ベッドの枕元にはりつけている1つの絵を見ます。有名なホフマンの描きましたゴルゴタ丘の十字架の絵です。ローマの兵隊や祭司やパリサイ人たちが十字架のイエスをあざけり、にらみつけている時に、3人の女弟子だけは師イエスの最期を案じてかけつけてきているが、男の弟子たちは恐れて姿を隠してしまっている。この恐ろしい状況下にマグダラのマリヤだけは、イエスの御許に慕い来たり、みもとにしがみついて泣いている絵です。

 初代教会においてまず最初に復活のイエスを拝したのは、このマグダラのマリヤでした。マリヤは遠くから十字架を拝んだりしません。イエス・キリストの血汐したたるみもとにすがり来たって生命を受けています。過去には、7つの悪霊がついていたといわれる罪の女がキリストの霊にふれて、聖女マリヤと変わったのです。私は信仰が弱りがちになると、「自分は大事なものを希薄にしているからだ。そうだ、もう一度新しく御血汐をお受けせねばならぬ」と、マリヤのような祈り心でキリストの足許に跪(ひざまず)きます。そうすると、不思議に天来の生命が流入してきて、沈んだ心もまた生きづいてまいり、新しい思いと力が、沸々と湧き上がってくるのを覚えます。