ロングフェローの「人生の詩篇 A Psalm of Life」という英詩は、私が商業学校3年の頃から「心の詩篇」として愛誦してきた詩です。劣等感にひるむ時、人生に悩む時、この詩はいつも勇気と希望を与えてくれました。

 聖書には詩篇150篇あるけれども、もし1篇ふやすならば、私はこの「人生の詩篇」を151篇につけ加えたいと思うほどです。150篇中には、珠玉のような20~30篇の詩がありますが、それにも匹敵するだけの価値を有するところの詩であります。

 なぜこの詩を読む必要があるかと言うと、「私たちがどのような人生観を持っているか、ということが、私たちの生涯をどのように築いていくかを決定する」からです。

 人間は考える動物でして、自分が思想するごとくに人格形成され、生活も作り上げられていきます。イエス・キリストは「汝の信ずるごとく汝に成れ」と言われました。現在、何を信じ、いかに考えているかということが、自分の運命を決定させ、未来を結晶させるからです。

 神を想い、神を愛すれば、あなたは神の子となり、地上を思い、地を愛すれば、あなたは土と化します。

 確固たる人生観を確立せずに、はっきりした信仰も打ち出せるものでない。何となれば、信仰とは人生を生きることだからです。もしこの「人生の詩篇」に述べられているようなことが信仰であり、人生に対する態度ならば、誰でも信仰なくして生きるなんてできるものでない。勝れた人生を送ろうと思ったら、信仰なくして可能だろうかと思います。

 私は努めてこの詩を朗読しました。それは、悲観的なこの世のキリスト教に抵抗し、その悪い影響から脱出して、もっと自由で積極的な信仰を確立するためにも、私は努めてこの詩を日々、朗読しながら、自分を励まさざるを得なかったのです。そうして励み励ましてきたればこそ、私は信仰を全うしつつあると思います。

 このような人生の詩を持つことが、皆さん方にもきっと良い影響を与え、今後の生涯が変えられると思います。今の時代にはこういう詩を読んで自分を鼓舞することが特に必要であることを痛感します。

(1960年)