詩篇27篇は、私の最も愛誦している詩篇の一つであります。非常に力強い信仰の希望の歌でして、ほんとうに信仰の励ましとなる詩です。この詩は長い間、多くの人々に愛誦されてきましたが、考えて作られたものではなく、信仰の実験の中で、現実のただ中で詠われた詩です。

 生活に忙しい人は、信仰する者のことを、宗教に凝って生活から遊離していると言って、宗教は何か暇人のすることのように思うかもしれません。けれども、本当の宗教というものは、そうではない。神秘的な境界に入れば入るだけ、力強く現実と戦う力が湧き出してくるものです。

 この詩は、後にイスラエルの王となるダビデが、敵に追われて荒野を転々と逃げている頃に、「主はわが光」と言って詠った詩といわれています。前半の6節までと後半とでは、原文の調子も内容も違うので、元は別の2つの詩であったとも考えられています。

(1971年)