今日は詩篇71篇を講義いたします。この詩は、私が昔から愛誦(あいしょう)してきた作品です。けれどももう1度、人生最後の晩年を全うするために、この詩を自分に読み聞かせ、なお忠実なる僕(しもべ)として聖前に死んでゆきたい。そのように思う次第です。

人生の試練を通った人の詩

 人は、老年になるとともに力が尽き果ててきます。眼の光もだんだん衰えてきます。若い時のような透き通った大きな声も出なくなります。それで、もう老人は不要だといってお払い箱になるならば、人生はなんと哀れでしょうか。

 詩篇71篇は、おそらく白髪の老人によって書かれたと思われます。自分は年寄りだが、なぜここまで働いてくることができたか、神と共に生きてきたからだ、という自覚が書かれています。

 長い詩ですが、何を言おうとしているのか一言でいうならば、神の愛はほんとうに信頼に値するものである、ということです。多くの試練を経て、神様はやはり愛であったと告白できるのですね。試練を通らない、失敗したことのない人の信仰というものはだめです。人間ですから、私たちはしくじることもあります。泣きたいこともあります。しかし、そのことを通して、神の愛を、また神に対する信頼をいよいよ確かめ、深くしてゆくことが大切であります。

詩篇71篇
主よ、わたしはあなたに寄り頼む。
とこしえにわたしをはずかしめないでください。
あなたの義をもってわたしを助け、
わたしを救い出してください。
あなたの耳を傾けて、わたしをお救いください。
わたしのためにのがれの岩となり、
わたしを救う堅固な城となってください。
あなたはわが岩、わが城だからです。
わが神よ、悪しき者の手からわたしを救い、
不義、残忍な人の支配から、
わたしを救い出してください。
主なる神よ、あなたはわたしの若い時からの
わたしの望み、わたしの頼みです。
わたしは生れるときからあなたに寄り頼みました。
あなたはわたしを母の胎から取り出されたかたです。
わたしは常にあなたをほめたたえます。
わたしは多くの人に怪しまれるような者となりました。
しかしあなたはわたしの堅固な避け所です。
(1~7節)

(1967年)

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