今日は、ヨハネ伝2章を読んでまいります。1章では、イエスを指して「見よ、神の小羊」と叫んだ洗礼者ヨハネの言葉に応じてアンデレらがイエスに従い、その後ペテロやピリポといった人たちがイエスの弟子になりました。

 3日目にガリラヤのカナに婚礼があって、イエスの母がそこにいた。イエスも弟子たちも、その婚礼に招かれた。
(ヨハネ伝2章1、2節)

 イエスのお育ちになられたナザレから10キロほど離れた所に、カナという町があります。そこで、イエスの親族に当たると思われる家に婚礼があり、イエスの母マリヤは手伝いに行っていたのでしょう。その婚礼の席に、イエスは5人の弟子を連れて出席されたのです。

 イエスが公の伝道生活を始める時に、結婚式を祝われたという事実を見ると、荒野で悔い改めを叫ぶ洗礼者ヨハネの信仰と、イエス・キリストの福音との違いがわかります。洗礼者ヨハネのような禁欲的な宗教、またはエルサレムにいる職業的な祭司たちの宗教――お寺やお宮、教会に行って儀式を守ることが信仰だと思っている人たちの宗教――と、日常生活が信仰であると考えるイエスの宗教との相違点が、明確に対比されています。結婚を否定し、修道院にでも籠ることを宗教生活とはせず、この世の生活の中で祝福に与(あずか)ることこそ、イエス・キリストの宗教でした。

(1972年)