「原始福音キリストの幕屋」のホームページです。日本人の心で聖書を読んだ手島郁郎の創刊による月刊誌『生命の光』、聖書の講話、聖霊による回心の証しなどを紹介しています。

和平への希望を失わず

アンドレ・シュラキ博士

achouraqui

 私たちユダヤ民族は2000年前、ローマ軍によって祖国イスラエルの地を追われ、世界じゅうに離散しました。私の一族も、地中海地方の国々をさまよった揚げ句、今のスペインに住んでいました。1392年のスペインの文献に、私の先祖の名前が出てきます。しかし、その3年後には身の危険を感じてか、スペインを離れ、今のアルジェリアとモロッコの国境線にある、トレムセンという町に移住しました。

 そこで私も生まれましたが、私たちユダヤ人は、とても小さな力ない群れでした。しかし毎年、「来年こそは、エルサレムで会いましょう」と言い交わし、祈ってまいりました。私たちの祈りは小さく弱いものでした。しかし、その祈りが実現してしまったのです! 1948年のイスラエルの建国は、私たちユダヤ人にとってまさに奇跡でした。そしてもう一つの奇跡は、離散してからこの2000年間、私たちユダヤ人が、言語も文化も失わなかったことです。

 先日、チベットのダライ・ラマをお招きした時に、彼もそのことにとても驚いていました。それは今、チベット人は民族滅亡の危機にあり、彼らは離散して、一世代後にはその地に同化してしまい、すべてを忘れ去ってしまう、という現実があります。そのような状況で、どのようにして自分たちの文化を記憶してゆくか、という深刻な問題を抱えています。ダライ・ラマにとって、ユダヤ人が2000年間、文化や言語を失わなかったのは驚きなのです。

(2002年)

アンドレ・シュラキ博士 André Chouraqui (1917~2007年)

 1917年アルジェリア生まれ、フランスに学ぶ。1958年エルサレムへ移住。ベングリオン首相顧問、エルサレム副市長、イスラエル超教派会議議長、世界宗教者会議実行委員などを歴任。旧新約聖書とコーラン全巻を、各々の原典からフランス語に完訳。3つの唯一神教を熟知するところから、それらの相互理解に大きく貢献し、アラブ諸国でも尊敬を受ける。1977年のエジプト大統領サダトのエルサレム訪問はシュラキ博士の尽力によって実現した。

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