詩篇87篇は、極めて高遠な歴史観を述べた詩として、詩篇の中でも特異な存在であります。私が最も愛好する詩の一つです。この詩人は、シオンの都を中心に霊的な世界史が大きく展開してゆくことを神に黙示されて、驚喜しています。よほど霊感的な気持ちで作詩したとみえ、短い詩ではありますが、原文の調子は激しい感動を言葉に盛りきれずに書いているようです。

 この詩はたぶん、紀元前7世紀の後半、アッシリア帝国が崩壊して、バビロニア、エジプトの勢力が興隆しはじめた時代に書かれたものであろうと推定されています。神からの黙示というものは恐ろしいものでして、語られた言葉そのままに、現実に成ってゆきますから大変なことであります。

 もし、私たち日本の幕屋の者たちにも、同様に何か神が示される黙示があるならば、私たちはその黙示を驚きをもって受け取り、それを信じ、信じ抜いて来たるべき日を待つことが大切だと思います。

詩篇87篇 コラの子の歌、さんび
主が基をすえられた都は聖なる山の上に立つ。
主はヤコブのすべてのすまいにまさって、
シオンのもろもろの門を愛される。
神の都よ、あなたについて、
もろもろの光栄ある事が語られる。
わたしはラハブとバビロンを
わたしを知る者のうちに挙げる。
ペリシテ、ツロ、またエチオピヤを見よ。
「この者はかしこに生れた」と言われる。
しかしシオンについては
「この者も、かの者もその中に生れた」と言われる。
いと高き者みずからシオンを
堅く立てられるからである。
主がもろもろの民を登録されるとき、
「この者はかしこに生れた」としるされる。
歌う者と踊る者はみな言う、
「わがもろもろの泉はあなたのうちにある」と。

(1967年)