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執行(しぎょう) 良子

 「ぼくが仕事から帰ってきて『ただいま』と言った時に、妻が『お帰り』と言ってくれると、嬉しい」

 会社でのストレスから、うつ病とアルコール依存症になってしまった患者さんに、「家庭がどうなったら、嬉しいでしょうね?」と尋ねた時に返ってきた言葉です。「お帰り」がないので、そのまま無言で食事をする。無言で床につく。小さな一つのことがどんどん悪循環を生み、会社でのストレスを癒やすはずの家庭が、ストレスをさらに溜める場所になっていたのです。

 奥様の協力で、「ただいま」「お帰りなさい」のやりとりが始まったことをきっかけに、この方の病状は、どんどんよくなりました。

(2016年 広島市在住)