sasaki738subete

聖会会場前の広場で

佐々木 千枝子

 私が初めて参加した幕屋の聖会は、1970年の7月に行なわれた伊豆聖会でした。私はその年、大学受験に失敗して予備校に通っていました。でも、受験に失敗しても全然落ち込むことはなく、「また来年がある」と思っていました。また、予備校で友達もできて、勉強が楽しくてならない生活をしていたのです。

 ところが、その友達の一人が自ら命を絶ってしまいました。私はそれがショックで、勉強も何も手につかなくなってしまい、ただ虚無の世界に浮いているような時期を過ごしていました。

 母がそんな私を見かねて、「温泉へ行って気分を一新してこない?」と誘ってくれたのです。それで、母と妹について、伊豆・伊東の温泉に行きました。

 でも、着いてみると、それは幕屋の聖会だったんですね。会場の前に大勢の人がいて、あちらこちらで輪になって、神様に救われた証しを語り合う場を作り、祈ったり、賛美歌をうたったりしていました。私はそれを見て初めて、母に騙されたことに気づいたんです。

(2014年 埼玉県在住)