台湾の蔡 焜燦(さい こんさん)氏が、平成29年7月17日逝去されました(享年90歳)。心からの哀悼の意を表します。
 氏は司馬遼太郎の『街道をゆく—台湾紀行』の中で、名ガイド「老台北(ラオタイペイ)」として登場する親日家で、実業家です。1999年の台湾中部震災のおり、日本から真っ先に救援隊が駆けつけたことに感謝し、10月12日、大阪幕屋で講演されました。2000年の『生命の光』1月号に掲載された記事をご紹介します。

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蔡 焜燦

 台湾中部震災の時には、日本から真っ先に救援隊を派遣してくださいました。この場を借りまして、日本の皆様の物心両面のご支援を厚く御礼申し上げます。

 今も厳しい災害現場で、日本のお医者さんや看護婦さん、多くのボランティアの方たちが頑張ってくれております。ありがとうございます。

 李登輝総統は聖書の言葉を引用しながら、「苦難の中でも信念を失わず、挫折の中で勇気を出して、復興しよう」と国民に呼びかけています。

 現在、台湾と日本は正式な国交がありません。本来は台湾政府が国交のない国に、国連か国際赤十字を通じて頼んで、救援活動が始まるところです。アメリカのクリントン大統領は、視察先で地震の報道を聞いて、すぐに飛行機と救援隊を台湾に派遣しました。

 しかしその到着より先に、日本の民間の救援隊が、一番乗りしたのです。日本の政府が中国のようすをうかがっている間でしたが。それで台湾では、日本の株が上がっています。今まで反日教育を受けてきた若者たちまでが、「日本は素晴らしい、日本よ、ありがとう」といって、日本ブームになりました。

(1999年)