光永 國子

 朝の光がさし込み、暗黒と死の蔭とに座する者を照らし、我らの足を平安の路に導き始めた。
(ルカ伝1章78~79節 手島訳)

 19歳のころ、キリスト教を知らなかった私に、友人が初めて教えてくれた賛美歌はクリスマスの歌だった。

 鋼鉄(くろがね)の扉うちくだきて
 捕囚(とりこ)をはなてる主は来ませり
賛美歌「もろびとこぞりて」より

 その時、私はこの主キリストにお会いしたくて病んだ身をひきずって、友人から聞いていた熊本の手島先生の許をたずねた。そして、まさしくこの歌のように魂の救いと光明を得たのでした。

 高校で運動をしていた時、急に背骨に痛みが走った日から私は脊椎(せきつい)分離症となり病苦の捕囚となった。あらゆる治療の効果もなく、もう私には社会生活も結婚もそして可愛い子供を抱くこともできないと知ったとき、私は自分の出生を呪った。しかし、その私をキリストが抱きしめてくださり、その愛に泣きじゃくって祈ったとき、あの病魔は去っていた。その年のクリスマス祝会では、私はこの歌を涙と歓びに打ち震えて歌いつづけた。

 あの日より三十数年、苦難に泣いた日々もあった。けれども、いつも主は私を背負ってくださった。主の御血汐こそ鋼鉄の扉をうち砕く力でした。

 あゝ今年も私の運命の扉を開いてくださった主のご降誕の日がやってくる。心から主の聖名を賛美します。