木村 聖徒

 「信仰に二代目、三代目はありません。けれども、あなたのおじいさんの信仰が闘魂となって、あなたに嗣がれたことを、キリストの神様に感謝いたします」。私の結婚式で、信仰の先輩がそう祈って祝福してくださいました。

 私の祖父(木村邦四郎)は、戦前からキリスト者として、福音の伝道を使命としていました。私が生まれる1年前に亡くなったので、会ったことはありません。けれど、最後の一息まで生けるキリストを伝えることを喜びとしていた祖父の話を、幼い時から聞いていて、私にはその生き方に憧れ、慕う心がありました。

 その影響から、自分もキリストの伝道をしたいと志すようになりました。しかしその志は、一度の挫折でがたがたと崩れてゆきました。

 私は高校受験で、受けた高校すべてに落ち、中学の卒業式で全校生徒中たった一人、進路が決まっていませんでした。やっとのことで追加募集をしている高校に入ることができましたが、「俺は何をやってもダメな人間だ」と思うと、心も生活も荒れてゆきました。そしてある時、とうとう問題を起こして、家庭裁判所のお世話にまでなりました。

(2015年 エルサレム在住)