版画 今村穂早奈

正月三が日の食卓には、
祝い箸が並べられていた。
箸袋には、家族一人ひとりの
名前が書いてある。
毎年、父が大晦日(おおみそか)に、
墨をすって書いていたようだ。

私も父に倣って箸袋に
家族の名前を一人ずつ書いてみた。
新しい年への思いがこもる。
「ああ、あのとき父は、
神様に家族の幸いを祈っていたんだ」
と父の気持ちが伝わってきた。

(かずさ ひかる)