伊藤 純男

 使徒パウロは言います。

 わたしは貧に処する道を知っており、富におる道も知っている。……ありとあらゆる境遇に処する秘けつを心得ている。わたしを強くして下さるかたによって、何事でもすることができる。
(ピリピ書4章12、13節)

 ぼくは聖書に信じる男です。宗教が必要とされないで、物質だけが人目を惹く現代。ぼくの心は砂漠で動物がオアシスを求めるように聖書に惹きつけられます。

 それは、ただ聖書を読むのが好きだというのではありません。聖書に書かれていることが現実に起きるし、奇跡ともいうべき体験ができる。それだから面白いというか、楽しいというか、不思議でならないんです。

 今、ぼくの心が燃える松明(たいまつ)のように熱く真っ赤にされている聖句があります。この使徒パウロの言葉、「わたしを強くして下さるかたによって、何事でもすることができる(ギリシア語の原文は παντα ισχυω εν τω ενδυναμουντι με パンダ イスヒィオ エン ト エンディナムーンディ メ)」です。

 この聖句は強烈です。そして「そうだ!」と叫びたいほどに、この言葉を信じています。それは聖書さながらの経験が、ぼくにもあるからです。

(2015年 東京都在住)