井上 彩織

 私は仙台にある国立大学の、化学・バイオ工学科の4年生です。

 まだ論文を読んで勉強している段階なのですが、これから糖の間の結合に関する研究に進もうかと考えています。

 たとえば、インフルエンザウイルスが好む種類の糖分子をフィルターに結合させることで、インフルエンザウイルスを通さないフィルターを作ることができる。私の進もうとしている分野には、そのような研究があります。

行ってみようかな

 新潟県の上越市で、幕屋の信仰をもつ家庭に育ちましたが、私自身は熱心ではありませんでした。

 大学生になって、仙台で独り暮らしをするようになったら、人生に行き詰まらないと自分に信仰は必要ないだろうなと思って、だんだん幕屋に行かなくなりました。

 2年生のお正月に帰省した時、父が、「幕屋のイスラエル留学はいいよ」と、自分が体験した留学の話をしてくれました。それまでそういう思いは全くなかったのですが、その時突然、行こうかな、という気になったんです。

 大学生活は楽な方ばかりに流されていて、2年生の最後は半分ぐらい単位を落としてしまいました。

 ほんとうにひどい生活で、自己中心的になっていました。中学、高校時代は暗くて友達も少なく、コミュニケーション能力が低くて、1日に2~3人としか話さないこともあるほど閉鎖的でした。

 大学生になって少しは開けてきたけれど、それでも会話が続かない……。思考もあちこち飛んでいて、たぶん、話の通じない人みたいに見られていたんじゃないかと、うすうす思っているんです。

 このままじゃいけないというのがあって、漠然と、留学に行ったら変われるんじゃないかな、という期待感がありました。

 そんな私でしたから、それまで集会に出ても、祈って嬉しかった、といったことは全然なかったんです。留学前の1カ月、東京で団体生活をし、準備の時を過ごしましたが、信仰を求める心があるのか、と厳しく問いただされました。

 でも、初めて東京の集会に出た時、賛美歌のピアノ伴奏に感動して、祈ったら涙が出てきました。

(2017年)