原始福音
キリストの幕屋

絵物語

ワイルクの鐘
ダミエン神父のお話(1)

 

 「2週間の交代でもよいから、伝道に行ってほしいと思うのです」
 ためらいながらメグレ司教は言いました。
 その時、はっきりとした、大きな声が響きました。
「私を行かせてください」
 ダミエンでした。
「私はもう、ハワイ島にはもどりません。すぐにでも行かせてください」
 メグレ司教はダミエンの顔をジッと見て、うなずきました。
「わかった。では、ここでの用事がすんだら、私が連れて行きましょう」
 その3日後。ダミエンとメグレ司教は、馬に乗って、ワイルクを出発しました。
 カラーン、カラーン。
 新しい教会の鐘が、二人を見送るように鳴り響いていました。
 
 港には、モロカイ行きの船がとまっていました。レプラの患者たちが次々に乗せられていきます。

ワイルク教会の鐘(ダミエン当時のもの)