|
真っ白なプルメリアの花が咲いています。さとうきび畑が、サヤサヤと歌っています。
ここはハワイ諸島のひとつ、マウイ島のワイルクです。
今から百年以上前のこと、ヘレナという女の子が住んでいました。お父さんとお母さんは、さとうきび畑で働いています。 |
|
|
|
ヘレナは最近、背中や腕のできものを気にしていました。
お母さんがそのことに気づいたのは、だいぶ日がたってからでした。お医者さんにみてもらうと、すぐにレプラ(ハンセン病)という病気だとわかりました。
レプラは、そのころハワイじゅうで流行していました。できものができて、そのうち顔や手足が崩れてゆきます。当時は、死んでしまう人がたくさんいる、恐ろしい病気でした。
ハワイ政府は患者たちをモロカイ島に送ることにしていました。ヘレナも、近いうちにモロカイ島に連れていかれることになりました。
ヘレナの部屋からは、もうすぐできあがる教会が見えていました。
「ねえ、お母さん、私あそこでお祈りしようと思うの。
あんなに空が近いんだから、お祈りが天国に届くでしょ?
私の病気も良くなるよね」
お母さんは、何も言わずにほほえみました。
カラーン、カラーン。
朝のワイルクの町に、教会の鐘がなりひびきました。
「ヘレナ、今日は新しい教会に、これを着ていきなさい」
お母さんは、きれいな水色のムームーを見せて言いました。前の晩から縫っていたのです。
「わあ、ありがとう!」
ヘレナはさっそくムームーを着て、家を飛び出しました。そして教会への道を走っていきました。
|
|