原始福音
キリストの幕屋

絵物語

ヘレナからの手紙
ダミエン神父のお話(2)

 

 今日もヘレナは、ダミエン神父とジョーおじさんと一緒です。神父は村でたった一人の健康な人。ヘレナもジョーも、村びとはみんなレプラ(ハンセン病)患者です。ハワイじゅうからここに連れてこられたのでした。
「わあ、グアバの実がなってる!」
「はっはっは。そうだろ。
 グアバはな、みっともないのがうまいんだ。きれいでつるつるなのは、すっぱくて食べられねえ」
 ジョーが言いました。
「へえー」
 ヘレナの顔も、病気のせいでデコボコだったから、ちょっぴりうれしくなりました。
「おじさん、何でいつもニコニコしてるの?」
「そうだな。わしだって、ここに来たときゃ、暗い顔をしてただろうよ。なあ、先生」
 ダミエンは、うれしそうに笑いました。
「どうしてわしだけがこんな目にあうのかと、世の中を恨んでたんだ。酒ばっかり飲んでな。
 だけど、ダミエン先生にお会いして、わかったんだ。こんなわしのことも、愛してくださる神様がおられることが……」
 ジョーは、泥だらけの手で顔をふきました。