二人はキラキラ光る星くずのエスカレーターに乗って、どんどん月に向かって昇っていきました。

その気持いいことといったらありません。

下に広がるチコの街は、どんどん小さくなっていきます。辺りは暗くなり、家々の明かりが点々とついていきました。

なんてきれいなんでしょう。

チコの大好きな月が、もう手に届きそうなところまで来たとき、エスカレーターは突然止まってしまいました。


どうしたの?

ウーン。 やっぱり止まってしまいましたか。

乗っている人の心の中に、
重たいものがたくさんあると、この道は止まってしまうんです。

この前のお客さんもそのせいで、ここから上に行けなくなってしまったのです


私の心の中に重たいもの?

チコはふと自分の胸もとを見ると、そこには『こころ』と書いてあるポケットが一つ付いていました。チコはその中に手を入れて開けてみました。

すると


『私は小さくて、いつもバカにされる』
   



と書いたカードが出てきました。

おきゃくさーん、
こんな小さな私を目の前にして、
よくそんなことが言えますねえ。

それにほら、

下の世界を見て下さい。

下を見ると、たかーいビルも小さな点にしか見えません。
どんなに大きく見えるものでも、空から見れば小さいものです。
チコは下を見下ろして、大きく息をつきました。
本当、本当にそうだね。
チコがそう言うと、そのカードはシュワシュワと溶けていきました。
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