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するとどうでしょう。王さまが顔を上げて目を開き、はじめてダビデのほうを見ました。
王さまのぼんやりとした目と、ダビデの目が合った時、ダビデに一つの光景が幻のように浮かんできました。それは、子羊が羊飼いを見失って泣いている光景です。
(王さまの病は、王さまの心が神さまを見失ったからかもしれない……。ぼくは、王さまの心といっしょになって、神さまに祈ろう)
そう思って、祈りの曲を王さまの心にしみ入るように奏でつづけました。しばらくたったころ、王さまがはじめて言いました。
「ああ、朝露のように、私の心におまえの歌がしみてくる。さあ、もっと神さまを賛美する歌を奏でておくれ。祈りの歌をうたっておくれ」
「はい、王さま!」
ダビデはそう答えると、さらに歌います。
「主はほむべきかな。
主は私の願いの声を聞かれた。
主は私の力、私の盾。
私の心は主に寄り頼む……」
王さまも、それに合わせて口ずさみ、だんだんと、心に力が満ちてきて、顔色が見る見る明るくなってきました。そして、よろめきながら立ち上がって、歌に合わせて手を挙げて踊りだしました。
ダビデは元気になった王さまを見てうれしくて、神さまへの感謝と賛美がますます湧いてきて,とまりません。
ついに高い音を出すほうの糸が一本、また一本と、切れてしまいました。でも、心の中にある竪琴を奏でるような思いで、神さまに向かって歌いつづけました。
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