また、ある夏の暑い日のことでした。
カミーは、ひと山こえ、またひと山こえて、里山にやって来ました。
空にポッカリ浮かんだ白い雲をまぶしく、サトウキビの下葉を焼いて残した煙が うすむらさきに立ちこめています。峠をこえて来たばかりなので、たいそう暑い。
木かげに入ってもちっとも風がそよがなくて、大粒の汗がふき出てとまりません
あーん、あーん、あーん とつぜん、赤子の泣き声が、カミーの耳にとび込んできました。
その泣き声をたどってクバの木の下に目をやると、チルーという女の子が今にも泣きだしそうになって、泣きじゃくる赤子を一生けん命あやしています。
泣かないで。
いい子だから
なかないでちょうだい

チルーは、遊びたいのをがまんして、弟のお守りをしているのでした。 けれども、背中の赤子は泣きやみません。チルーは心の中で

 
−神さま、なんとかしてください−
と叫んでいます。

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