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むかしむかし東の国に、善恵(ぜんけい)という絵仏師がおりました。絵仏師というのは、仏さまを描くお坊さんのことです。
善恵は、多摩川のほとり、狛江の里の小さな庵に住んでいましたが、毎日、絵も描かず、昼間から寝そべっています。食べ物もろくになくて、こじきのようなくらしでした。
もともとは、都でも有名なお寺で絵を描くほどの腕前でしたが、修行のため国々を旅して帰ってきたら、ぜんぜん筆を取らず、なまけてばかり。
ある日ついに師匠におこられ、お寺を追い出された善恵は、方々さまよったあげく、この地に住みついたのでした。
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