原始福音
キリストの幕屋

絵物語

エルトゥールル号の遭難

 

 あぶない!灯台のある断崖の下は「魔の船甲羅」と呼ばれていて、海面には、岩がにょきにょき出ている。ぐぅぐぅわーん、ばりぱり、ばりばりばり。船は真っ二つに裂けた。その瞬間、エンジンに海水が入り、大爆発が起きた。この爆発音を灯台守が聞いたのだった。乗組員は海に放つ出され、波にさらわれた。またある者は自ら脱出した。


真っ暗な荒れ狂う海。どうすることもできない。波に運ばれるままだった。そして、岩にたたきつけられた。

 一人の水兵が、海に放つ出された。大波にさらわれて、岩にぶつかった。意識を失い、岩場に打ち上げられた。
  「息子よ、起きなさい」
懐かしい母が耳元で囁いているようだった。
 「お母さん」
という自分の声で意識がもどった。真っ暗な中で、灯台の光が見えた。
 「あそこに行けば、人がいるに違いない」
そう思うと、急にカが湧いてきた。四十メートルルほどの崖をよじ登り、ようやく灯台にたどつ着いたのだった。