イスラエルでは春、プリムの祭りで耳を食べる。もちろん本当の耳ではない。ハマンの耳(オズネイ・ハマン)と呼ばれるクッキーである。それは、聖書のエステル記の物語で、ユダヤ人を苦しめる悪代官ハマンを王妃エステルがやっつける話に由来する。クッキーを悪い奴に見立ててたべちゃうとは、歴史を伝える面白い方法だ。 イスラエルじゅうで祭りを祝い、国民が一つの物語を記憶し、歴史を大切にする。うらやましいかぎりである。 撮影・文 北四郎 生命の光560号より