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チューリップ
 

チューリップ
 私はシャロンのバラ、谷のゆりです。(雅歌2章1節)


 シャロン・チューリップがシャロンのばらだと一説にはいわれている。この花が、チューリップの原種の一つだと聞いていたので、一度はお目にかかりたいと思っていた。二ヶ月間、野山を歩くたびに探したが、見つからない。カルメル山でやっと出会えた。背丈が10cmもない花だった。
 「ずいぶんちっこいんだなあ」
と呟いたが、かがんでジーッと見ていると、小さいわりにはどことなく逞しい。花壇で咲いている大きな立派なチューリップより、生きているという存在感がある。
 「失礼しました。一枚撮らせてください」
と、レンズを向けた。

撮影・文 北四郎
生命の光557号掲載